特集記事
2021.09
AQUOS R6 カメラ使いこなし -マニュアル撮影-
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今月のPHOTOSHOWは、AQUOS R6の「マニュアル写真」モードを使った撮影についてご紹介します。素早くかんたんに撮るオートの撮影と違って、じっくりと撮影を楽しむのに適したマニュアル撮影なら、色や質感までも自分好みに操れます。
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今回の内容
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印象的な色に調節する(WB)
撮影データ
F/1.9 / 19mm / ISO:120 / Shutter Speed: 1/120sec. / マニュアル写真 (WB:6600 / コントラスト:6 / 明瞭度:6)写真の色を変えるときに使うのが「WB」(ホワイトバランス)です。夜明けや夕焼けの空の色を印象的にするような使い方がおすすめです。数値を上げると写真の色が赤っぽくなり、数値を下げると青っぽくなります。夕焼け空を赤っぽい雰囲気にする場合は数値を上げます。早朝やトワイライトなどを青っぽい雰囲気にしたい場合は、数値を下げます。
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シャッタースピードを遅くする(ISO & SS)
撮影データ
F/1.9 / 19mm / ISO:50 / Shutter Speed: 5sec. / マニュアル写真 (WB:4700 / 色合い:6 / コントラスト:6 / 明瞭度:7)
使用機材: 三脚(ブレ防止/スマホ固定用) / 取り付けアクセサリー: ND フィルター(減光用)撮影時にシャッタースピードを遅くしたい場合は、ISO感度も調整します。ISO感度の数値を小さくすることでシャッタースピードを遅くできます。作例のように、日中のスローシャッター撮影は明るすぎて真っ白になる場合があるため、市販品のNDフィルターを使用して光の量を意図的に減らしています。また、ブレを防ぐために三脚などで固定して撮影しましょう。
撮影データ
左:SS(シャッタースピード):1/120(手持ち撮影)/右:SS(シャッタースピード):5秒(三脚+NDフィルター) -
ピントを自分で合わせる(フォーカス)
撮影データ
F/1.9 / 19mm / ISO:50 / Shutter Speed: 1/900sec. / マニュアル写真 (フォーカス:0 / 色合い:7)ピントは撮影者の意図を表すとても大切な要素です。そして、場面や被写体によっては、オートフォーカスより正確にピントを合わせることができます。自分でピントを合わせるには、「フォーカス」をタップし、四角の枠内に赤く表示される「ピーキング表示」を確認しながら、スライダーで調節します。スライダー横の「A」タップするか画面をタップするとオートフォーカスに切り替わります。
作例のように、被写体に近づいて背景を大きくぼかすような場合、被写界深度が浅いため、ピント合わせがシビアになります。このような場面では、マニュアルフォーカスがとても便利です。
作例のように、背景に点状のものがある場合(作例では木漏れ日)、ピントが合わない部分(ぼけが大きい部分)は、丸い玉ボケになります。このことを応用すれば、マニュアルフォーカスを使って玉ボケを意図的に作ることもできます。 -
色鮮やかにする(色合い)
撮影データ
F/1.9 / 19mm / ISO:50 / Shutter Speed: 1/170sec. / マニュアル写真 (色合い:7)「色合い」(彩度)の数値を大きくすると、色鮮やかな写真が撮れます。風景や花、料理といった撮影で設定する数値は、「6」または「7」程度がおすすめです。赤いものを撮る場合は、数値を大きくし過ぎると色が飽和し、ベタっとしてしまいます。被写体の色の濃さに応じて調節しましょう。逆に数値を小さくすると、色が抜けていきます。また、「色合い」(彩度)の数値を「0」にすると、明暗の階調のみを白から黒で表現するモノクロになります。
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メリハリを調節する(コントラスト)
撮影データ
F/1.9 / 19mm / ISO:50 / Shutter Speed: 1/3700sec. / マニュアル写真 (色合い:6 / コントラスト:6)明るい部分(光)と暗い部分(影)のメリハリを調節します。コントラストの数値を上げると、明暗の両方が強調され、はっきりとした印象になる反面、中間の階調が失われます。逆に数値を下げると、光と影のメリハリは無くなりますが、明るさが均一になり階調が豊かになります。明暗差が激しい夕景では、コントラストを下げるのが効果的です。
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くっきりシャープにする(明瞭度)
撮影データ
F/1.9 / 19mm / ISO:50 / Shutter Speed: 1/10.913sec. / マニュアル写真 (色合い:7 / 明瞭度:7)写真をシャープにくっきりとさせるか、ソフトにふわっとさせるかを調節できるのが「明瞭度」です。細かいものや質感描写を優先させたいときは、数値を上げてシャープに。ふわっとさせたり、細かいものをボヤかせたいときは数値を下げます。風景などは「6」または「7」にすると輪郭が強調され立体感が出てきます。
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ピントと明るさを個別に調節する(個別AF/AE)
撮影データ
F/1.9 / 19mm / ISO:50 / Shutter Speed: 1/10sec. / マニュアル写真 (WB:6700 / コントラスト:4 / 明瞭度:6)マニュアルの撮影画面をタップすると、青い四角(ピント位置)と「AE」アイコンが表示されます。この2つはドラッグで個別に移動できます。移動した場所に合わせて、青い四角はピント、「AE」アイコンは明るさを調節します。作例のように少し暗めの写真を撮りたいときは、「太陽マーク」の調節バーを使います。たまには、少し暗めに落ち着いた雰囲気の大人っぽい写真に挑戦してみましょう。
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本格的なマニュアル撮影も行える AQUOS R6 を使いこなして、デジカメで撮ったようなワンランク上の写真をたくさん撮影してみましょう。
- 黒田 智之 くろだ ともゆき
- 東京生まれ。公益社団法人 日本写真協会会員。
アートディレクター、フォトグラファーを主として音楽、映像、出版、広告などで活動。近年では、スマホ写真を中心に写真の撮影・プリントに関する書籍の執筆やセミナー、ワークショップ等の講師も務める。近著には『「いいね!」を増やす スマホ写真の撮影レシピ』(シーアンドアール研究所刊)などがある。
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※ AQUOS R6 のカメラ機能を改善するソフトウェア更新を実施しました。
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