PHOTOSHOW

スマートフォンAQUOSの撮影のコツを紹介

特集記事

2023.10

スマートフォン AQUOS × デジカメ用フィルター撮影

  • スマートフォン AQUOS の 2023 年モデルは、カメラ自体の機能や性能の進化に加えて、 専用ケースとアダプターによりデジカメ用のレンズフィルターを装着して、 さらに雰囲気のある写真を撮ることができます。

    専用ケースは、フィルター径 52mm(エレコム製)。アダプターは、フィルター径 49mm(LooCo製)となっています。 このアクセサリーは、デジタルカメラ用のフィルターをそのまま付けられるというもので、 スマートフォンのカメラ機能だけでは難しい物理的フィルター効果を使った写真表現が可能になる優れものです。

    今回の PHOTOSHOW では、AQUOS R8 pro、AQUOS R8、AQUOS sense8 にデジタルカメラ用のフィルターを装着して撮影した写真をご紹介していきます。

  • 今回の内容
    1. 明るい場所でシャッタースピードを遅くする
      絞り開放が基本のスマホカメラで重宝する ND(減光)フィルター
    2. 映画のような雰囲気で撮れる
      ポートレートにも適したホワイトプレミアムミストフィルター
    3. フィルター初心者にもおすすめ
      イルミネーションで効果が絶大な
      光を星のように光らせるクロスフィルター
    4. もう少し近づいて撮りたいときはクローズアップレンズ
    5. 淡い色合いでどこか懐かしさを感じられる写真に
    6. 夜景や逆光の夕景にシネマティックな雰囲気をプラス
  • ※撮影で使用された AQUOS R8 pro、AQUOS R8、AQUOS sense8 は、開発中のものを使用しているため、製品とは異なる場合がございます。

  • 明るい場所でシャッタースピードを遅くする
    絞り開放が基本のスマホカメラで重宝する
    ND(減光)フィルター

    AQUOS R8 pro + ND フィルター(メーカー:ケンコー・トキナー)で撮影

    明るいレンズと絞り開放が基本のスマートフォンにとって、ND フィルター(減光フィルター)は風景写真では重宝します。 特に作例のようにシャッタースピードを遅くする撮影では必需品。手軽なスマーフォンであっても本格的な風景撮影を可能にします。

    < フィルターの有無による違い >
    左:フィルターなし/右:ND フィルターを使用

    左上が ND フィルターを付けていない通常撮影、右上が ND フィルターを付けて撮影したものです。 作例のような水流を写す渓谷や滝、車のテールランプの光の残像、花火など、 1 秒を超えるシャッタースピードで撮影する場面では、特に重宝するフィルターです。

    写真だけでなく動画撮影を含め、さまざまな被写体やシーンで重宝する減光フィルターです。 特に撮影状況に応じて減光量を調整できるバリアブル(可変)ND は、 シャッタースピードの制御という点で、デジカメ以上にスマートフォンの撮影で役立ちます。

    AQUOS R8 pro のマニュアル写真を使って撮影する
    <本格的に使うならマニュアル写真モード>

    作例のようなスローシャッターは撮影モードをマニュアル写真モードにし、 シャッタースピード (最長 30 秒)と ISO 感度を調節して撮影します。 この方法では、シャッタースピードが遅いため、手持ち撮影では確実に手ぶれを起こすため、必ず三脚などでスマホを固定して撮影しましょう。

    AQUOS R8 pro のナイトモードを使って撮影する
    <手持ちで使うならナイトモード>

    ND フィルターを使用したスローシャッター撮影のスマホならではの撮り方が、ナイトモードの使用です。 ナイトモードを使用して撮ると下の作例のように、手持ちでもブレずに水流の残像を撮ることができます。

    マニュアル写真モードのような細かな設定の必要がないだけでなく、三脚などでスマホを固定することもなく、手軽にスローシャッター撮影を行える裏技です。

    AQUOS R8 pro + ND フィルター(メーカー:ケンコー・トキナー)で撮影

  • 映画のような雰囲気で撮れる
    ポートレートにも適したホワイトプレミアムミストフィルター

    AQUOS R8 pro + ホワイトプレミアムミストフィルター(メーカー:KANI OPTIC)で撮影

    このフィルターの効果としては、光を拡散させ、写真の雰囲気や描写を柔らかくし、フィルム映画のようなノスタルジックな雰囲気を演出できます。

    < フィルターの有無による違い >
    左:フィルターなし/右:ホワイトプレミアムミストフィルターを使用

    左上がホワイトプレミアムミストフィルターを付けていない通常撮影、右上がホワイトプレミアムミストフィルターを付けて撮影したものです。

    このフィルターは、光源(ハイライト)に対しての効果が強く光を拡散させ、全体的にコントラストを和らげ霧がかったように写ります。 コントラストが和らぎ、肌の質感や陰影がソフトになるため、ノスタルジックな演出のポートレート撮影では重宝します。

  • フィルター初心者にもおすすめ
    イルミネーションで効果が絶大な
    光を星のように光らせるクロスフィルター

    AQUOS R8 pro + クロスフィルターで撮影

    付けた瞬間に効果が感じられるクロスフィルター。光源を星のように光らせることが出来ます。 イルミネーションやクリスマスツリーなどの細かい光の集合体を撮るような場合に効果が絶大です。

    < フィルターの有無による違い >
    左:フィルターなし/右:クロスフィルター(メーカー:MARUMI)を使用

    左上がクロスフィルターを付けていない通常撮影、右上がクロスフィルターを付けて撮影したものです。

    クロスフィルターはイルミネーションなどの細かな光(点光源)が十字状になります。 このフィルターは回転させることができ、回すことで十字状になった光も回転させることができます。

    数多いフィルターの中でも、効果がよく分かり扱いやすいといえます。 フィルターを使った撮影をこれから行いたい方にはおすすめです。

  • もう少し近づいて撮りたいときはクローズアップレンズ

    AQUOS sense8 + AC クローズアップレンズ No.5(メーカー:ケンコー・トキナー)で撮影

    このクローズアップレンズは、フィルター同様に取り付けられる接写レンズで、被写体にもう少し近づいたように大きく撮影したい場合に使用します。

    < フィルターの有無による違い >

    左:フィルターなし/右:AC クローズアップレンズ No.5 を使用

    左上がクローズアップレンズを付けていない通常撮影、右上がクローズアップレンズを付けて撮影したものです。

    スマートフォン AQUOS の 2023 年モデルの被写体に近づける最短撮影距離は、おおよそ 10~12cm 程度。 このクローズアップレンズを取り付けると最短撮影距離が短くなり、その分被写体に近づいて撮ることができます。 また、撮影距離が変わらなくても、このレンズを付けるだけで、被写体に近づいたときと同じ効果(拡大効果)があり、背景のぼけ効果も大きくなります。

    このクローズアップレンズを複数枚重ねて付けると、さらに最短撮影距離が短くなり、より被写体に近づくことができます。

  • 淡い⾊合いでどこか懐かしさを感じられる写真に

    AQUOS sense8 + ノスタルトーン・ブルーフィルター(メーカー:ケンコー・トキナー)で撮影

    このノスタルトーン・ブルーフィルターは、コントラストを弱めて、光を拡散させることで、光に包まれたような柔らかい雰囲気の写真を撮ることができます。 フィルターの名の通り、うっすらと青みがかった写真になります。

    < フィルターの有無による違い >

    左:フィルターなし/右:ノスタルトーン・ブルーフィルターを使用

    左上がノスタルトーン・ブルーフィルターを付けていない通常撮影、右上がノスタルトーン・ブルーフィルターを付けて撮影したものです。

    このフィルターは、光を拡散することでシャドウ部を明るくハイライトを抑える効果があるため、全体的に柔らかな階調になります。 そのため、逆光での撮影で効果があります。そこにうっすらと青みが加わることでフィルム写真のような懐かしさを演出してくれます。

    AQUOS で使用する際は、撮影モードを「マニュアル写真」にし、彩度やコントラストを調整すると、より効果的に使うことができます。

  • 夜景や逆光の夕景にシネマティックな雰囲気をプラス

    AQUOS R8 + ブラックミスト No.05(メーカー:ケンコー・トキナー)で撮影

    ブラックミストフィルターは、ブラックミストならではの拡散効果により街灯などの光源を柔らかくし、コントラストを弱め、光をにじませることで雰囲気のある写真がとれます。

    特に夜景や逆光の夕景におすすめのソフトフィルターで、No.1 と No.05 があり、光の拡散効果に違いがあります。 今回使用している No.05 は、光源の強調を抑えたほどよい拡散効果がえられます。

    < フィルターの有無による違い >

    左:フィルターなし/右:ブラックミスト No.05(メーカー:ケンコー・トキナー)を使用

    左上がブラックミスト No.05 を付けていない通常撮影、右上がブラックミスト No.05 を付けて撮影したものです。

    ブラックミストフィルターは、ハイライトとシャドウ部のコントラストを抑えるソフトフィルター。 微細な黒い拡散材を使用して光を拡散することで、独特のシネマティックな雰囲気を演出してくれます。 写真だけでなく、動画撮影にもおすすめのフィルターです。また、フレアゴーストを抑える効果もあります。

    デジタルカメラでは馴染みのあるフィルターを使用した撮影が、スマートフォンで簡単に行える AQUOS R8 pro、AQUOS R8、AQUOS sense8 の専用ケースとアダプターは、 スマートフォンのカメラ機能だけでは撮れない効果や表現が可能になります。 スマホカメラの撮影に新しい可能性をもたらしてくれます。

  • 黒田 智之 くろだ ともゆき
    東京生まれ。公益社団法人 日本写真協会会員。
    アートディレクター、フォトグラファーを主として音楽、映像、出版、広告などで活動。 近年では、スマホ写真を中心に写真の撮影・プリントに関する書籍の執筆やセミナー、ワークショップ等の講師も務める。 近著には『「いいね!」を増やすスマホ写真の撮影レシピ』(シーアンドアール研究所刊)などがある。

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